耐震等級3はとても安全性が高く、耐震性能が高い建物です。
計算方法としては
①許容応力度計算
②品確法の性能表示計算
の2種類ありますことを前回お伝えしました。
そのうえで、勾配天井のある建物や、母屋下がりの建物は品確法の計算ではきちんと計算できないことを書きました。
そもそも同じ耐震等級3でも、許容応力度計算で求められる仕様の方が品確法よりも高く、耐力壁の量やそれに伴う部材が強くないと仕様を満足しません。
2025年の法改正で、品確法の求められる強度も高まりましたが、やはり許容応力度計算で計算したほうがそもそも求められる強度が高いのです。

品確法では「梁上耐力壁」の検討が求められていません。
梁上耐力壁とは、2階の床を受けている梁で下に柱がないのに耐力壁が設けられているケースのことを言います。
例えば、2階の外壁がリビングの真ん中にあるケースです。
よくあるケースだと思います。
地震が発生した際、耐力壁が地震力を受け止めるとともに、梁を下向きに押し込みます。
その力に耐えるだけの梁の大きさにする必要があるのですが、品確法では計算することが求められません。
また、太陽光発電が搭載されている際、屋根の一部に載っているため、専門用語では偏荷重という状態になります。
これに対しての適正設計は、品確法の計算ではできません。
品確法では屋根全体を重くして計算することはできるのですが、重さが偏っている場合は計算できないのです。
梁上耐力壁や太陽光発電の搭載、これらは一般的なことです。
しかし、品確法の耐震等級3はそれらに適切な構造設計ができていないことになります。
よって、私どもは許容応力度計算で計算することがマストだと考えています。