
住宅の基礎には、「べた基礎」と「布基礎」の2種類があります。
布基礎とは立上りの下だけに基礎がある方式です。
上から見ると枠だけある感じです。

出典:積水ハウスホームページより
ハウスメーカーさんは布基礎を採用しているケースが多い傾向です。
それに比べて、べた基礎はスラブ(平面のところ)にも鉄筋コンクリートがある方式で、上から見ると蓋のない箱のような感じです。

お客様から聞いた話では、「べた基礎のほうが一体になっているので強い」、「布基礎の方が強い」と営業マンは採用している工法の方が強いと主張するケースも多いようです。
では、実際どちらの方が強いのでしょうか?
技術的に正確な答えは
「適切に構造計算をしたらどちらも強い」
ということになります。
違いは、地盤の強さだけになります。
地盤が固い==>「布基礎」、地盤が軟弱==>「べた基礎」、更に軟弱だと地盤補強が必要になります。

出典:構造塾(M’s建築設計)
例えると、布基礎は「ハイヒール」でべた基礎は「スニーカー」。
地盤が緩いところだとハイヒールで歩くと、沈んでしまいますが、設置面積の大きいスニーカーだと歩けるケースを思い浮かべることができると思います。
基礎形状の選択は、地盤の強さで決まります。
法的にも平成12年建設省告示第1347号にて地盤の長期許容応力度が
20KN/㎡以上==>べた基礎
30KN/㎡以上==>布基礎
と決められています。
専門用語では接地圧の検討といいます。
よって、地盤調査をして20KN/㎡だった場合、布基礎だと地盤補強工事が必要なのに対し、べた基礎だと地盤補強が不要になります。
その前提として、建物の安全性を担保するには、しっかりとした構造計算が大前提になることは言わずもがななところですね。